遠山自然公園は、四万十町数神(かずこう)から奈路(なろ)地区に広がる、里山に続く草原と湿原からなる自然公園です。

土佐市の蟹ヶ池、仁淀町のから池、梼原町の九十九曲峠湿原と並ぶ、高知県内でも珍しい湿原のひとつです。

公園内には、絶滅危惧種のミズトンボの群生や定期的な草刈りで植生が守られているスズサイコなど、多種多様な湿原性植物・草原性植物が自生しています。

※絶滅危惧種21種を含む473種の植物が自生(2010年の調査)

植物だけでなく、絶滅危惧種のコフキヒメイトトンボやクロゲンゴロウなど様々な種類のトンボや甲虫などの昆虫、キツネやアナグマ、キジやツグミなどといった動物も数多く生息しています。

四万十町遠山の看板
遠山の看板

成り立ち

遠山は知る人ぞ知る希少植物の宝庫です。

遠山と名前がついていますが、山ではなく里山に続く草原と湿原です。

かつては田んぼとして利用されていたため、今も棚田のような地形が残っています。

耕作管理されていた田畑が人が手を入れなくなって植生が変化し、ネザサが茂り、希少な植物が姿を消しかけました。

湿原の存続が危ういほどに荒れたところを、遠山の貴重な環境を守ろうと、四万十町が2009年(平成21年)に14haを購入し、約9haを「遠山自然公園」としました。

町より委託を受けた「遠山を守る会」が管理・運営を行っています。

「公園」という名前ではありますが、たくさんの植物を植栽した整備された公園ではなく、人の手をなるべく入れずに既存の植物を保護するよう配慮しています。

一般公開について

希少種保護のため一般公開はされていません。

盗掘の被害が横行し、原則、植物観察会以外の入園をお断りしております。

過去にはミズトンボがごっそり盗掘されたり、オオミズゴケが何袋分も持ち去られるといった悲しい事案もありました。

植物の持ち帰りや無用な踏みつけ、外来種の持ち込みを禁じています。

東屋(あずまや)を新設

遠山のあずまや

2023年には、休憩や座学ができる「あずまや」が新設されました。 

(参照:高知新聞2023年6月21日 WEB版より)

木道(もくどう)の設置

「遠山を守る会」によって、植物観察会用にところどころ木道が設置されています。

自然環境に配慮した木道は耐用年数が短く、定期的な付け替え作業が必要です。

その維持管理も課題となっています。

公園内は湿原のため、長靴の着用をお勧めしています。

以前の木道
2024年7月撮影
遠山自然公園の木道
木道2024年9月撮影

保全活動

四万十町から委託を受け「遠山を守る会」では年間を通して草刈り作業を行っているほか、年に1度は広くボランティアを募って野焼きを行うなど、遠山自然公園の保全活動を行っています。

また植物観察会を開催し、地域の宝であるそれらの植物や周辺環境を守る大切さをより多くの人に知ってもらう場の提供を行っています。

「遠山を守る会」活動の詳細は下記をご参照ください。